『キッズ・リターン』のあらすじ・キャストからのおすすめ度
「キッズ・リターンズ」は落ちこぼれの高校生、マサルとシンジがそれぞれ別の道を歩んで行く姿を中心に、それぞれの同級生の人生も交えながら進んで行きます。そこには、高校生時代から真面目一辺倒のヒロシが就職をするものの、上手く行かずにタクシー運転手に転職して、最後はタクシーで事故を起こしてしまったり、高校生の頃は面白くないと言われた2人組が、結果、満員のお客さんを盛り上げる漫才師になったりしています。
そして、主役の2人のマサルとシンジもそれぞれが順調な道を歩んで行きますが、終盤では2人共挫折をして、その後、高校の校庭で再会したマサルが、まだ始まってもいないと、威勢よく言い放ち、幕を閉じます。
このように本作品はそれぞれの人生が凝縮された内容となっており、またそれぞれの登場人物の成功や挫折がみどころポイントです。
そして、そこに自分の人生を照らし合わせて、努力が報われたり頑張っても結果が出なかったり、不意にはしごを外されて失敗をしたりなど、それぞれの人が様々な思いで観られる作品です。また、アウトローな内容が中心ではありますが、そこまで過激な暴力シーンはなく、気軽に観られる作品となっています。
ちなみに久石譲氏による本作品のメインテーマは、疾走感に溢れ非常に格好く、この主人公の2人にもピッタリの曲ですので、この点も注目して観ると良いでしょう。
邦画「キッズ・リターン」作品情報・キャスト
監督:北野武
脚本:北野武
制作:森昌行、柘植靖司 、吉田多喜男
音楽:久石譲
キャスト:金子賢, 安藤政信, 森本レオ, 石橋凌
邦画「キッズ・リターンズ」あらすじ
高校に通う2人の高校生、マサルとシンジは授業も真面目に受けず、教師達から落ちこぼれのレッテルを貼られていました。しかし2人は気にも留めず、自由に生活をしていました。特にマサルはカツアゲをする為に暴力を使い、高校生であるにも拘らずラーメン屋で喫煙や飲酒をする有様でした。
しかし、以前カツアゲをした高校生の助っ人として現れたボクサーに、マサルは殴り倒されます。その経験から、マサルはシンジと共にボクシングジムに入会をするも、マサルはボクシングの才能が無くやくざの道に進みます。
一方でシンジは、ジムの会長からボクシングの才能を見出され、友達が辞めたからと言って君まで止める必要は無いと言われ、引き留められたシンジはその才能を開花させます。
その後、マサルは舎弟を幾人か従える身になり、シンジも連戦連勝を重ねる中、マサルは再びシンジの通う事務に現れ、自分が組長に、シンジがチャンピオンになったら再び会おうと約束します。
しかし、シンジは先輩ボクサーであるハヤシとの付き合いにより堕落してしまい、減量も上手く行かずに大事な試合で負けてしまいます。
一方のマサルも自分の組長が殺された事で、報復に向かおうとしますが会長は手打ちの意向を固めており、マサルは兄貴分から制裁を受けます。
その後、高校の校庭で再会した2人。シンジはマサルに、俺たちはもう終わってしまったのか、との質問にマサルは、まだ始まってもいない、と返すのでした。
邦画「キッズ・リターン」おすすめ度 ★★★★
北野武監督6作目のとなる作品。北野武がバイク事故から生還し復帰後の作品としても注目を浴びました。北野監督いわく、死に直面したことが作品の世界観に大きな影響を与えたと。個人的にも北野映画の中では、「HANA-BI」の次に好きな映画。北野映画のバイオレンス系作品が苦手な方にもおすすめです。
映画賞受賞歴/キッズ・リターン
第6回東京スポーツ映画大賞/キッズ・リターン
- 作品賞
- 監督賞:北野武
- 新人賞:安藤政信
第51回毎日映画コンクール/キッズ・リターン
- 日本映画優秀賞
- スポニチグランプリ新人賞:安藤政信
第9回日刊スポーツ映画大賞/キッズ・リターン
- 優秀作品賞
- 新人賞:安藤政信
第70回(1996年)キネマ旬報ベストテン/キッズ・リターン
- 第2位