B-PROJECT『OVER the WAVE!』のこだわりは歌とダンス
2017年夏に初演が上演された「B-PROJECT on STAGE『OVER the WAVE!』」、通称オバウェ。
原作プロジェクトはあの西川貴教が総合プロデュースを手がけています。CDでのシリーズ展開ののち、アニメ化やアプリ化されるなどメディアミックスも盛んです。
舞台化もそのうちのひとつとして上演されました。舞台には、原作に登場している全4ユニットが登場します。
キタコレ、THRIVE、MooNsは原作で最初から登場しているユニットです。加えて、原作で新ユニットとして少し後からデビューしたKiLLER KiNGも舞台に登場し話題となりました。
この記事のもくじ
2.5次元舞台Bプロ『OVER the WAVE!』の魅力、ステージから垣間見える生々しさ
現在アイドルもののコンテンツは数多くあります。
そんな中でもB-PROJECTは、既にプロとして活動するアイドルたちの姿を追うコンテンツです。
舞台でも、芸能人として活動する姿と、その裏側での努力や苦悩などが描かれました。ステージ上には、華やかなアイドルとしてキラキラしている姿、そしてレッスン着で汗だくになりながら練習する姿がありました。
これは原作のアイドルたちの日常を垣間見る内容です。
それと同時に、同じようにステージ上で俳優という仕事をしているキャスト自身の姿にも重なる内容に感じられました。
キャスト達も、演じるアイドル達と同じようにいつも笑顔で次々と仕事をこなしています。
こちら側には見せないだけで、劇中で描かれたような厳しい競争や悔しい思いを体験しているはずです。この生々しさこそが、オバウェの魅力のひとつではないでしょうか。
Bプロ『OVER the WAVE!』の生歌に込められた意味
オバウェの“生感”を支えているもののひとつに、生歌があります。
演出家の伊藤マサミは、あえて録音や被せを使わずに生歌にこだわったそうです。
全員で歌う曲は総勢14名。原作CDのパート割を再現し、1フレーズずつフォーメーションを変えながらパートが変わっていく姿は、まさに”アイドル”。
生歌にこだわった理由として、伊藤マサミは歌詞の持つメッセージ性を挙げていました。そのメッセージをステージで歌う瞬間の気持ちと一緒に客席に届けたい。そう考えたのでしょう。
激しく踊りながら歌う曲もあるので音程が少し乱れてしまったり、マイクトラブルでうまく音が入っていなかったりということもありました。
しかし、その瞬間に劇場を訪れた人にしか聴けないステージが目の前で繰り広げられる。これぞ、”生物”といわれる舞台を観劇する醍醐味ともいえるかもしれません。
生歌で歌う2.5次元舞台は珍しくありません。しかし、原作で軸となっている楽曲にリスペクトを込めて生歌にこだわっている点が、オバウェの魅力なのです。
Bプロ舞台の注目は原作への愛を貫くダンス
歌と一緒に注目してほしいのがダンスです。これは、原作を追っているとより楽しめるかもしれません。
原作側のライブイベントなどで楽曲の一部に振付がついている場合、それを取り入れた振付がつけられていました。あくまで原作をベースに作られていたのです。
2.5次元舞台ではよく舞台版のオリジナルソングなどが披露されます。それはそれでとても盛り上がるし楽しい要素です。
しかし、オバウェでは原作の楽曲のみで構成されていました。
アイドルものを原作とした作品のなかでも、オバウェは原作への忠実度とリスペクトはかなり高い作品だといえます。
オバウェは初演の約2週間後にライブ公演を上演。
さらに2018年2月から、初演とライブ公演の内容を再構成した「B-PROJECT on STAGE『OVER the WAVE! REMiX』」(通称オバリミ)が上演されました。
2019年1月からはアニメ2期の放送も決定しています。まだまだ熱い展開が待っているB-PROJECTの舞台版・オバウェ。ぜひ注目してみてください。