「サバイバー:宿命の大統領」のキャストでみせたキーファー・サザーランドの新天地
アメリカ政府が崩壊することから始まる衝撃の政治サスペンスドラマ「サバイバー:宿命の大統領」。この作品で主演を務めたのは、アメリカのドラマ界を代表する俳優の一人、キーファー・サザーランドです。ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」のジャック・バウアー役と言われれば、顔が思い浮かぶのではないでしょうか。
それまで映画での印象的な脇役などで実績を積んでいたキーファー・サザーランドにとって、「24 -TWENTY FOUR-」は彼の俳優人生を代表する作品となり、日本で海外ドラマブームを起こすきっかけにもなりました。
その一方で、確固たる代表作を持ったことで、キーファー・サザーランドには「テロの脅威を防ぐために奔走する捜査官」というジャック・バウアーのイメージが根強くついてしまい、「24 -TWENTY FOUR-」終了後もこのイメージからの脱却が課題となっていました。
そんな彼にとって転機となったのが、この「サバイバー:宿命の大統領」でのトム・カークマン役です。
Netflixオリジナル「サバイバー:宿命の大統領」概要
題名:サバイバー:宿命の大統領(2016年シリーズ1、2017年シリーズ2)
原題:Designated Survivor
製作総指揮:マーク・ゴードン
キャスト:キーファー・サザーランド、ナターシャ・マケルホーン、マギー・Q、エイダン・カント
「サバイバー:宿命の大統領」あらすじ
政治家のトム・カークマン(キーファー・サザーランド)は、住宅都市開発長官として閣僚の一人を務めているものの、大統領との対立が続き、ついには長官の解任と左遷が決まるという不遇な立場にあった。国にとって重要な一般教書演説の日も、トムは万が一のために現職閣僚の一人が議事堂から離れた場所で待機するという「指定生存者」に選ばれ、事実上の締め出しを受けていた。
ところが、閣僚と議員たちが一堂に会する一般教書演説の最中に議事堂が爆破され、その場にいた全員が死亡するという恐るべきテロが発生。唯一生存している閣僚となったトムは、大統領に就任することとなる。左遷間際の窓際閣僚だったトムに対する世間の期待は低く、メディアによる批判、各自治体のリーダーたちからの不信、そして政敵による妨害行為などが相次いで、新政府の運営は困難を極めていく。
トムは世論の厳しい目や批判の声、そしてアメリカ大統領という仕事の重圧に苛まれながらも、国を再建しようと努力していくが……
キーファー・サザーランドの「サバイバー:宿命の大統領」での新たなキャラクター
「24 -TWENTY FOUR-」でキーファー・サザーランドが演じたジャック・バウアーは、休む間もなくテロを防ぐために戦い、時には容赦ない暴力を使い、命を落とす寸前の重傷を負うこともあるアクティブなキャラクターでした。
それに対してトム・カークマンは、複雑な政界を生き抜き、知恵や判断力、そして強いリーダーシップをもって国民を導いていくという「頭脳派」の役柄でまさに「知性と判断力で人々を導くリーダー」という新たなキャラクターを確立しています。
自ら行動する武闘派から打って変わって、リーダーとしての立場で人々を動かす指導者キャラを演じたことは、キーファー・サザーランドにとって、まさに大きな挑戦だったのではないでしょうか。
50歳を超えてベテラン俳優としての落ち着いた雰囲気がついてきたこともあって、大統領という役柄に違和感を感じさせることはありません。このトム・カークマン役で、キーファー・サザーランドは無事にジャック・バウアーの呪縛から抜け出したといえます。
キーファー・サザーランドにとって、「サバイバー:宿命の大統領」は、まさに新境地を切り開いた作品と言えます。また、彼はこのドラマの製作総指揮にも名前を連ねていて、近年プロデューサーとしても順調にキャリアを積んでいることが伺えます。
「ジャック・バウアー」としての彼に親しんでいたドラマファンの方は、キーファー・サザーランドの新たな表情・演技にもぜひ触れてみてください。