Netflixドキュメンタリー厳選おすすめ作品「ニーナ・シモン 魂の歌」
先日“ソウルの女王”と呼ばれたアレサ・フランクリンさんが亡くなり、彼女と同じくアメリカの公民権運動に関わったニーナ・シモンを思い出しました。ニーナ・シモンは1960年代アメリカで起こった公民権運動のシンボル的存在でした。
元々はクラシックピアニストを目指したいた普通の少女でしたが、公民権運動によって人生が大きく狂ってしまいました。時代に翻弄されてしまった歌手の1人だと思います。今回はそんなニーナ・シモンの生涯を追ったドキュメンタリー「ニーナ・シモン 魂の歌」を紹介したいと思います。
この映画は今のアメリカの現状を考えながら見ると、より深くそして危機的に見ることができるおすすめのドキュメンタリー映画です。
Netflixドキュメンタリー映画「ニーナ・シモン 魂の歌」概要
タイトル:ニーナ・シモン 魂の歌
監督:リズ・ガルバス
原題:What Happened, Miss Simone?
製作:Netflix/2015年
賞:第88回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門 ノミネート
ニーナ・シモンの略歴
1933年2月21日 ノースカロライナ州トライロン生まれ
7人兄弟の6番目
4歳からピアノを始める
「アイ・ラヴ・ユー・ポーギー」のヒットによりアメリカで有名になる。
1964年に「ミシシッピ・ゴッダム」を発売し、この頃から公民権運動に参加するようになる。
1970年にアメリカから移住し様々な国で暮らす。
2000年にはフランスで暮らし始め音楽活動を再開する。
2003年4月21日乳がんの闘病生活の末亡くなる。
ドキュメンタリー映画「ニーナ・シモン 魂の歌」あらすじ
Netflix製作によるニーナ・シモンの生涯を追ったドキュメンタリー映画です。
ニーナ・シモンは1950年〜1960年代アメリカだけでなく世界各国で有名となったアーティストでした。しかし1970年突然彼女は姿を消します。そんなニーナ・シモンの事についてマヤ・アンゲロウという詩人が「シモンさん、あなたは今や大勢の人に愛されています。でも一体何があったのですか?」という詩を発表しました。
このドキュメンタリーはその詩の一部を引用したタイトルになっています。
ニーナ・シモンはノースカロライナ州トライロンの貧しい家庭に生まれました。4歳の頃からピアノを始め、母親の通っていた教会でピアノを弾き始めます。それが教会に来ていた白人のピアノの先生の目にとまり、本格的にピアノを学び始めます。
彼女の夢はクラッシクのピアニストになる事でしたが、当時の黒人には叶わない夢でした。カーティス音楽大学の試験を受けますが、彼女は不合格となります。それは彼女が黒人だったためでした。仕方なく彼女はジャズバーで働き始めます。お金のために、歌も歌い始め少しずつ彼女は注目され始めました。
そしてついに1958年に発売した「アイ・ラヴ・ユー・ポーギー/I loves you Porgy」がヒットし有名になったのでした。彼女の素晴らしい才能でアメリカだけでなく世界中でコンサートを開くほどの歌手となります。
しかし1963年にミシシッピで黒人差別を訴えていたメドガー・エヴァースが殺されます。さらにアラバマ州で黒人教会が白人至上主義のグループに燃やされ黒人の女の子が4人亡くなります。
この立て続けに起きた黒人差別に対してニーナ・シモンは「ミシシッピ・ガッデム/ Mississippi Goddam」という政治的メッセージを込めて曲を発表します。
そしてこの頃から黒人の公民権運動に参加するようになり、次第にシンボルとなっていきます。
しかしそれとは逆に政治的メッセー字を歌い続ける彼女の曲は放送禁止となり、次第に仕事を失ってしまいました。そして少しずつ人生が狂い始めたのでした。