「カメラを止めるな!」に込められた仕掛け“二度はじまる”驚愕のストーリー!
超低予算で大ヒットを記録した異色作として話題になった「カメラを止めるな!」。その内容は、“作中で低予算ドラマを描き、それを軸にストーリーを広げる”という、低予算を逆手にとったものでした。
まさに「二度はじまる」この映画。一度目があることで二度目の展開が活きてくるギミックによって、新感覚の笑いを体感できること間違いなしです。
「カメラを止めるな」映画基本情報
監督・脚本:上田慎一郎
制作:2017年/ENBUゼミナール
原案:劇団PEACE「GHOST IN THE BOX!」
主題歌:山本真由美「Keep Rolling」
キャスト:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ 、 長屋和彰、細井学、市原洋 他
「カメ止め」圧巻の“30分ノーカットゾンビドラマ”による幕開け
「カメラを止めるな!」の海外タイトルは「ONE CUT OF THE DEAD」。その名前からも分かるように、30分もの超長回しのワンカットで描かれるゾンビドラマによって、この映画は始まります。
計算されたカメラワークと役者たちの動きに圧倒される一方で、ホラーコメディとしてもしっかりと楽しめるこの30分。流れが一度も途切れないからこそ、尋常でないスリルと臨場感が生まれています。
そしてもちろん、かつてない試みを成し遂げた、製作陣の根性と映画愛も感じずにはいられません。
キャッチコピー「この映画は二度はじまる」が明らかになる後半
30分のゾンビドラマに圧倒されたあとは、そのドラマを作り上げた役者とスタッフたちのストーリーが描かれます。顔合わせ、稽古、打ち合わせ……と、映画の製作の裏側が描かれながらも、物語は思わぬ方向に進んでいきます。
そして遂に「30分のゾンビドラマを生放送」という前代未聞のチャレンジがスタートしたとき、二度目の「ONE CUT OF THE DEAD」が始まります。ひとつのホラーストーリーが、視点を変えることでここまで違った面白さを持つことに、驚かされること間違いなしです。
最初に「30分ノーカットドラマ」としてしっかり楽しまされたからこそ、そこに込められた仕掛けに改めて大爆笑できる。周到に計算された伏線が見事に絡み合う展開は、まさに「アイデアの勝利」です。