2019年カンヌ映画祭での日本映画作品の選出は3本
2019年のカンヌ映画祭では、残念ながら公式選出(賞が関わるコンペティション)では選出されませんでしたが、独立選出(映画祭とは別の運営組織)には3作品が選出されています。
まず【監督週間】には、長編部門で三池崇史監督の『初恋』が選出。60分未満の短編・中編部門に日本の映像作家・ダンサーの吉開菜央(よしがい・なお)監督の『Grand Bouquet』が選出されました。
【批評家週間】では、映像制作集団「空族」のメンバー富田克也監督の最新作『典座 TENZO』が選出されました。
この記事のもくじ
カンヌ映画祭の日本映画作品(監督週間選出)
カンヌ映画祭の期間中に公式セッションとは別に開催されるもので、賞を競うものではありません。ただいくつかの映画関係団体(スポンサー)が独自に授与する賞はあります。
ただこの中の新人監督は「カメラ・ドール( Caméra d’or)」というコンペティション部門、監督週間、国際批評家週間で上映された作品の中から、選出される賞があり、閉会式で発表されるので注目度は高いです。
2019年は長編部門25作品、短編・中編部門11作品の中に日本映画2作品があります。
三池崇史監督『初恋』:長編部門
監督:三池崇史
キャスト:窪田正孝
関連サイト:東宝
#三池崇史 監督最新作、映画『初恋』2020年に公開予定🎊
さらに主役の葛城レオ役を #窪田正孝 さんが務めることに決定!三池監督が初めて撮ったラブストーリーに、ぜひご期待ください✨
詳しくはこちら▼https://t.co/gN3xbsdUpk pic.twitter.com/4VxFvxOJNA
— 東映映画公式 (@Toei_films) 2019年4月25日
吉開菜央監督『Grand Bouquet』:短編部門
日本の映像作家・ダンサーの吉開菜央監督が「#MeToo」運動に触発されて作った作品。
作品をつくるにあたって触発されたのは社会問題だけではなかった。世の中における権力構造、集団と個のせめぎ合いで起こることは、生物の命を維持する構造にも似ているのではないか、それがこの作品の骨の部分かと思う。(吉開菜央Twitterより)
カンヌ映画祭の日本映画作品:批評家週間
若手や新人の登竜門ともいわれ、長編2本目までの監督作品を集める新人部門です。ここから有名になった監督は多く、今後の映画界にとって重要な部門です。長編と短編のコンペに加えて特別上映もあります。
特別上映は「スペシャル・スクリーニング」とよばれ賞の対象にはならない長編・短編の作品です。この中に日本映画の『典座』が選出されました。
富田克也監督『典座』:長編部門
監督:空族・富田克也
関連サイト:典座公式サイト(全国曹洞宗青年会)
仏道を求める若い僧侶の葛藤や求道、その迷いの闇に射す典座の教えを描いたドキュメンタリーとフィクション作品。禅問答のように描く仏教映画です。
※「典座」とは、禅宗の寺院において僧侶やお寺への参拝者の食事を司る役職のこと。仏道修行に励む僧堂において、調理を司る典座職は、曹洞宗の“六知事”という重要な6人のうち欠かせない1人。