斬新なストーリーで見せる“ループもの”の新境地「ARQ:時の牢獄」
ループもの映画の新境地を開拓した「ARQ:時の牢獄」は、作り込まれたストーリーと確固たる世界観で魅せるSFサスペンスの秀作です。
その分、ストーリーを把握するには集中してしっかり観ないといけない「ARQ:時の牢獄」ですが、深く練られた展開や張り巡らされた伏線が回収されていくクライマックスは、SF映画ファンにとってはたまらない驚きを体感させてくれます。
ARQは「主人公以外もループに気づいていく」という異色設定
SF映画の中では定番ジャンルのひとつとなっている「ループもの」というタイプの作品。何らかの理由で同じ時間が何度もくり返され、主人公がそれを解決するために失敗を重ねながらトライ&エラーで事態を進展させていく……というのがお決まりの流れになっています。
「ARQ:時の牢獄」もそんなループもののSF映画ですが、この映画が普通のループものと違う最大のポイントは、主人公以外にも登場人物ほぼ全員が「ループに気づく」という部分です。
通常ループに唯一気づいた主人公が、他の人の言動や出来事を記憶してスムーズにことを進める展開の作品が多い中で、「ARQ:時の牢獄」では登場人物それぞれがループに気づくことで、ループが重なるほどに展開が変わっていき、先の読めないハラハラ感が楽しめます。
この異色の設定によって、「ARQ:時の牢獄」はループものSFの新境地を開いたと言えます。
ARQのループは予測不可能!複雑で鮮やかな真相に衝撃を受ける
異色のループ設定を活かした「ARQ:時の牢獄」のストーリー展開は、かなり複雑で、S難解な部分もあります。
ですが、近未来的な映像や世界観の説明も合わさった雰囲気はピリッと張り詰めた緊張感が漂っていて、登場人物たちの行動が入り組みながら次第に明らかになるストーリー展開も合わさって、SFファンならワクワクさせられること間違いなしです。
そして、ループの真相には二重三重の謎が隠されていて、それが明らかになったときは、大きな衝撃を受けます。ループものSFが好きな映画ファンでも、この真相を予想することはできないのではないでしょうか。