政治ドラマと本格サスペンスが融合した「サバイバー:宿命の大統領」の魅力
「サバイバー:宿命の大統領」は、政治ドラマとしても犯罪サスペンスとしても楽しめる作品です。トムとハンナ、それぞれの戦いを描くストーリーが次第に交差していく展開は、緊張感のあるスリルに満ちています。
一作で二度おいしいドラマに仕上がっているので、政治をテーマにした作品や、スリリングなサスペンスが好きな方なら一度は観てみてほしい名作です。
この記事のもくじ
「サバイバー:宿命の大統領」あらすじ
アメリカ合衆国の政治において重要な一般教書演説の日。住宅都市開発長官として閣僚の一人を務めているトム・カークマン(キーファー・サザーランド)は、大統領との不仲から万が一のために現職閣僚の一人が議事堂から離れた場所で待機するという「指定生存者」に選ばれ、事実上の締め出しを受けていた。
ところが、一般教書演説の最中に議事堂が爆破され、その場にいた全ての閣僚や議員たちが死亡するという恐るべきテロが発生。唯一生存している閣僚となったトムは、大統領に就任することとなる。
大統領という複雑で責任重大な役職に就くも、国内からの批判や国外の圧力、政敵による妨害など、政治的なトラブルに次々に見舞われていくトム。しかし、部下や家族に支えられながら、次第に大統領として認められていくようになる。
一方で、FBI捜査官のハンナ(マギー・Q)は議事堂爆破テロについて捜査を進めるうちに、テロの裏に隠された恐るべき真実を知っていくことになる。
「サバイバー:宿命の大統領」は政治ドラマの王道としてのストーリー
「ザ・ホワイトハウス」や「ハウス・オブ・カード 野望の階段」など、昔からホワイトハウスをテーマにしたドラマ・映画は数多く作られてきました。そして、一筋縄ではいかない政界の複雑な戦いが描かれてきました。
「サバイバー:宿命の大統領」も、そんなホワイトハウスが舞台の政治ドラマに連なる作品です。ですが、そこには「テロによって主人公トムの他数名の政治家以外が全滅してしまった後のホワイトハウス」という、他の作品とは決定的に異なる要素があります。
アメリカ建国以来の危機ともいえる状況の中でも、純粋に「国家を立て直すために派閥の違いを乗り越えて協力していこう」とはならず、政治的なかけ引きがくり広げられるのがこのドラマのポイントです。
共和党と民主党という2大政党の競争は続き、州知事など地方行政の長たちも時には妨害と言えるような積極的なかけ引きを行い、メディアは容赦なく政権を批判し、軍のトップなど行政の内部からも強硬な動きが発生する……
そんな波乱万丈のストーリーは、他の政治ドラマと比べてもまったくそん色ないスリルに溢れています。
事件を探るサスペンス要素も見どころ
トムの大統領としての戦いと併せて描かれる、FBI捜査官ハンナの戦いにも注目です。彼女は、議事堂の爆破テロ事件の裏に隠された真相を、ほとんど一人で孤立しながら追っていくことになります。
国家が傾くほどのテロということで、その裏には驚きの真相が隠されています。調べていく過程は危険だらけで、孤軍奮闘するハンナの決意や意志力に驚かされます。
ある意味で、ハンナはこのドラマのもう一人の主人公と言えるでしょう。
Netflixオリジナル「サバイバー:宿命の大統領」概要
題名:サバイバー:宿命の大統領(2016年シリーズ1、2017年シリーズ2)
原題:Designated Survivor
製作総指揮:マーク・ゴードン
キャスト:キーファー・サザーランド、ナターシャ・マケルホーン、マギー・Q、エイダン・カント