おすすめ!Netflixオリジナル作品「ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い」実際に起きた悲劇の戦闘を描く
この映画は実際の過去の1961年にコンゴ(現コンゴ民主共和国)で起きた「ジャドヴィルの包囲」という国連が介入した紛争の史実を元に作られた映画です。
国連平和維持活動においてアイルランド軍のユニットの悲劇を描いたもので、2016年ゴールウェイ映画祭(アイルランド)で上映され、ネットフリックスの配信によって世界に知られるようになった作品です。
この記事のもくじ
Netflix「ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い」映画概要
作品名:ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い
原題:The Siege of Jadotville
ジャンル:歴史的ドラマ/戦争(1h48min)
製作:2016年 アイルランド、南アフリカ
監督:リッチー・スマイス
キャスト:ジェイミー・ドーナン、ギョーム・カネ、ジェイソン・オマラ
Netflix「ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い」あらすじ
米ソ冷戦の真っただ中の1960年。紛争が激化するアフリカのコンゴに、150名のアイルランド軍をはじめとした平和維持軍が国連から派遣される。
クインラン中隊長(ジェイミー・ドーナン)率いるアイルランド軍は実戦経験こそないものの練度も士気も高い精鋭だったが、彼らの駐留地は防衛に不向きな地形で、物資もろくにないという悲惨な状況だった。
さらに、他の部隊が大きな失敗を犯したことで国連軍に対する反発が高まり、アイルランド軍も現地のゲリラ部隊による大攻勢を受ける。
150人対3000人という圧倒的に不利な状況で戦いに臨むアイルランド軍だったが、どれだけ戦っても救援は来ず、次第に物資が尽きてくる。彼らが過酷な状況に捨て置かれた背景には、コンゴの動乱を取り巻く複雑な政治情勢があった。
Netflixの映画で描かれた「ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い」の史実
「ジャドヴィル包囲戦」はコンゴ動乱の中で実際に行われた戦闘
「ジャドヴィル包囲戦」は、1960年代にアフリカのコンゴでくり広げられた内戦「コンゴ動乱」の中の出来事です。ベルギー領だったコンゴが独立した際、その南部のカタンガ州が「カタンガ国」としての独立を宣言したことから、事態は始まります。
コンゴは大きな混乱に包まれ、ついにはアメリカとソ連の主導のもと、国連軍が平和維持のために投入されることになります。主人公クインランたちアイルランド軍も、この国連軍の一部隊としてコンゴに入りました。
ところが、そんなアイルランド軍を、カタンガの憲兵隊とフランス外人部隊による混成のゲリラ部隊3000名が襲撃。アイルランド軍は壮絶な戦いをくり広げて奇跡的に死者0のまま持ちこたえるも、最後は弾薬や物資が尽きて投降し、捕虜として捕らえられます。
アイルランド軍が追い詰められながらも救援が来なかった背景には、次第にアメリカとソ連による冷戦の代理戦争と化したコンゴ動乱の複雑な情勢や、国連がこの動乱に積極的に介入しようとしなかった事実などがあります。
「ジャドヴィル包囲戦」でアイルランド軍の兵士たちに起こった悲劇
奮闘の末に捕虜になったアイルランド軍ですが、その後の展開もなかなか悲惨なものでした。
クインランたちは一か月以上も拘束され、解放されてアイルランドに帰国すると「敵に降伏した臆病者」という目で見られました。「何度要請しても救援が向けられなかった」という事実は伏せられて、「アイルランド軍が降伏したせいでコンゴ動乱が複雑化し、国連がより介入することになった」という部分のみが公表されたことが、その原因です。
クインランたちが名誉回復を果たして勲章を与えられたのは、2005年になってからでした。実に40年以上もの間、クインランたちは不当な評価を受けていたことになります。
Netflix映画「ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い」のすすめ
いかがでしたか?
背景の説明は最小限に、戦争アクション映画としての側面が強調されていた「ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い」ですが、その詳しい歴史的背景を知ったうえで観ると、また違った印象を受けます。
「作中で描かれる出来事は全て実際にあった」という事実や、主人公たちの命運に思いをはせながら、是非一度観てみてください。